正しいお参りをしよう

正式参拝

参拝には2種類の形式がある

神社のお参りには、社頭参拝と昇殿参拝の2種類があります。

社頭参拝

社頭とは「社殿の前」という意味です。賽銭箱のある拝殿の前でお参りすることを「社頭参拝」といいます。

昇殿参拝

昇殿とは「社殿に昇る」参拝を指し、神職によってお祓いを受け、お願いごとを祝詞によって神様に伝えてもらいます。

この昇殿参拝を正式参拝といいます。昇殿参拝は神様がいる本殿により近いところでの参拝になります。

昇殿参拝は、神職が常駐している神社では、お祭りがある特別な日などを除けばいつでも行うことができます。学業成就や商売繁盛などの祈願、厄年などに行うお祓いがありますが、基本的に昇殿参拝では、災厄を祓い、神様のご加護を願うことが目的です。

昇殿参拝の流れ

  1. 申し込み
    個人や少人数の場合は、予約なしで社務所で申し込みできる。

  2. 昇殿
    名前を呼ばれたら社殿に入る。

  3. 修祓の儀
    祈願に先立ち、お祓いを受ける。祓詞奏上中やお祓いの際は軽く頭を下げる。

  4. 祝詞奏上
    願い事の祝詞が奏上される。祝詞奏上中は軽く頭を下げる。

  5. 玉串拝礼
    代表者が玉串を受け取り、拝礼する。

  6. 直会
    お神酒を神前に向けていただく。

  7. 授与品の授与
    お神札やお守りなどの授与品を受け取り、終了。

社頭参拝と昇殿参拝の違い

社頭参拝と昇殿参拝の大きな違いは、神職がわたしたちに代わって神様に感謝の心やお願い事をお伝えする点です。

最初に祓詞と呼ばれるお祓いの言葉を神職が奏上し、続いて大幣で参拝者のお祓いをします。次にお願い事を神様に伝える祝詞が奏上されます。

祝詞は古くから使われてきた「宣命体」と呼ばれる神様への言葉で書かれています。

言霊

神道では、古くから「言霊」といって、言葉にも霊が宿り、影響を及ぼすと考えられてきました。

現在でも結婚式などで「重ねる」「切る」など離婚を連想させる言葉は使わないなど、言霊の風習が色濃く残っています。祝詞は、この言霊信仰に則って、洗練された宣命体という独特な言葉で奏上されます。

祝詞の後には玉串をお供えし、二礼二拍一礼の作法で拝礼します。最後にお神酒をいただき、授与品を受け取ります。

どのようなときに昇殿参拝するか

昇殿参拝の申し込みは社務所に直接行くか、電話ですることができます。多くの場合は予約なしで行うことができますが、団体の場合などは事前に予約をするようにしましょう。

奉納金は、のし袋に「初穂料」あるいは「玉串料」と表書きして納めます。金額はあくまで気持ちですが、個人の場合は3千円から5千円、家族、団体でしたら1万円からを目安に考えるといいでしょう。神社によっては初穂料の金額が明確に書いてあることもあります。

昇殿参拝は初宮詣や七五三詣、厄年などの人生儀礼のみならず、どのような場合でも受けることができます。

例えば、商売繁盛、旅行安全、恋愛成就、学業成就、病気平癒、さらには日々の暮らしに感謝の気持ちを伝える神恩感謝など、なんでも受けることができます。

迷った場合には、直接神社に「このような祈願がしたい」と質問してみると、親切に教えてくれることでしょう。願いが叶った際には、ぜひ神様にお礼を伝える「お礼参り」をするようにしましょう。