人生の節目に行く人生儀礼と厄年

日々の暮らしを神様に感謝する機会

神社で昇殿拝礼する機会として、最も多いのが人生儀礼のときでしょう。

人生儀礼

人生儀礼とは、人生の節目節目に神様に感謝を伝え、ご加護をいただくためのお参りです。

安産祈願、初宮詣、七五三詣、成人式、還暦などの年祝いなど、人生を通して人生儀礼があります。

これらの人生儀礼の年は決められています。例えば、七五三の3歳、5歳、7歳はそれまでの無事の成長を神様に感謝し、ますますの成長を願う儀式です。

乳幼児死亡率が高かった時代の名残で、7歳までは子どもは神の子とされ、人間界から去ってしまう可能性が高い存在とされました。日々の暮らしを当たり前のことのように感じてしまいがちですが、古来より日本人は「つつがない暮らし」に対しても神様に感謝していたのです。

体調、環境に変化が起きやすい年

厄年は、思わぬ事故や病気にかかるなどの不運に見舞われやすい年とされています。これは、先人たちが長年の経験による、特に体調や環境に大きな変化が起きやすい年ということで定められました。

厄年の時期は、若年から青年、中高年へと変わる節目の年でもあり、結婚や出産、仕事の責任が増す時期にあたります。身体的にも精神的にも負担が増す年頃ですね。

厄除け

厄年の前の年を前厄、後の年を後厄として、あわせて注意が必要な年とされます。また、人生で3回ある厄年のうち、女性33歳、男性42歳は特に注意が必要な大厄とされます。

厄年には厄除けを行い、厄年を平穏無事に過ごせるように祈願しましょう。お祓いの時期は地方によって異なりますが、年明けから節分の間に行われるところが多いようです。

厄除けをすることで、心の平穏を保つことができるとともに、身を慎むよう心掛ける機会になります。厄年を何事もなく過ごし終えたら、役が落ちたことをお祝いするといいでしょう。

昔の年齢の数え方

人生儀礼や厄年は、基本的に数え年で行います。

数え年

数え年は、生まれたときを0才でなく1歳とし、新年が明ける、つまり1月1日を迎えたときに1歳を加算する年齢の考え方です。

これはかつて、日本では新年を迎えるごとに人間も年を重ねると考えられたためで、誕生日は関係ありませんでした。つまり、12月31日に生まれた赤ちゃんは、翌日の1月1日には数え年で2歳になります。

基本的には、その年に自分が迎える年齢に1歳を足した年齢を数え年と考えればいいでしょう。例えば、その年の4月1日に満30歳を迎える人ならば、数え年は31歳となります。

現在では数え年ではなく満年齢で人生儀礼をおこなうケースも増えてきています。

主な人生儀礼、厄年早見表

初宮詣(はつみやもうで)

赤ちゃんのこれからの成長が健やかであることを祈願する。男の子は31日目、女の子は33日目にお参りをするのが一般的。天気や健康状態を優先して日程を調整する。

七五三詣(しちごさんまいり)

古くは男の子も女の子も3歳になると、髪を伸ばして結いなおす「髪置」、男の子は5歳になると袴と小袖を着て扇を持つ「袴着」、女の子は7歳になると初めて本式の帯を締める「帯解」という儀式をした。

十三詣(じゅうさんまいり)

干支が一周する年にあたり、かつては13歳になった際に初めて大人の寸法の着物を作った。現在では小学校の最後の年にもあたり、これまでの成長と益々の発展を祈願する人生儀礼である。

成人式(せいじんしき)

一人前の大人として認められる年齢で、各自治体で成人式の行事が行われている。成人式の後にはこれまでの成長を感謝し、大人の自覚を持つために、神社で成人奉告祭を行うとよい。

厄年(やくどし)

男性は25歳、42歳、61歳。女性は19歳、33歳、37歳が厄年とされる。厄年の前年を前厄、翌年を後厄といい、前後の年も注意が必要。男性42歳、女性33歳は大厄とされ、一層の注意が必要。

還暦、年祝い(かんれき、としいわい)

還暦は十干十二支が一巡することで、再び生まれたときに戻るとされる。赤色の頭巾やちゃんちゃんこを贈る風習がある。還暦以降、70歳を古稀、77歳を喜寿、80歳を傘寿、88歳を米寿、90歳を卒寿、99歳を白寿、100歳を上寿といい、それぞれの年にお祝いする。